自社の商品をパンデミック的に広めるメカニズム

急に売れ始めるのにはワケがある

自社の商品をパンデミック的に広めるメカニズム

2017/07/06
マルコムグラッドウェル著
「急に売れ始めるにはワケがある」を読んで

 

この本ではある「商品」が爆発的に広がるのか?
それとも広がらずに終わってしまうのか?の境界を
「ティッピング・ポイント」
と名付けてそのメカニズムに迫っている。

 

ティッピング・ポイントの要点

本書の要点は以下の3つ。

  • 少数者の法則
  • 粘り
  • 背景

である。

 

少数者の法則とは

パレートの法則で言われるような
「一部の人が大部分の成果を生み出すということが
口コミなどに於いても有効な考え方である」
という話。

 

人との繋がりが広い人 「コネクター」
情報を蓄えている人 「メイブン」
商品を他人に伝える人 「セールスマン」

 

という三種を紹介し、
これらがうまく組み合わさることで
口コミなどが爆発的に起こるという話。

 

しかし、これらの3者だけで
話が完結するわけではなく、
イノベーター理論などの
イノベーター、初期採用者、
前期追随者、後期追随者などの層にも別れていて、

 

それぞれの分野で得意な人は異なるため、
適切なポイントにしかける必要がある、
ということも触れられている。

 

これらのことが
実際に存在する人やポール・リヴィアなどの例とともに説明されている。

 

粘り

「広がるメッセージには粘りが必要だ」という主張。

 

これに関しては少し抽象的な感もあるが
メッセージを受け取った人の中で
どれだけそのメッセージが残るのか?
という問題。

 

この「粘り」が強ければ強いほど
他の人にそのメッセージを感染させる可能性も高くなるし、
弱ければ一発屋のように消えてしまう。

 

それらを
成功した教育番組「セサミストリート」や「ブルーズクルーズ」などを例にとって
説明されている。

 

背景

背景とはその人が置かれている環境によって
どんな芯を持った人でも判断が変わってしまう。

 

その背景を一切無視して広めようとするのは
非常に無謀だ、という話になる。

 

逆にそれを理解した上で
その背景を利用できれば
自社の商品を広める助けにすることもできる
という説明がされている。

 

これには
NYの犯罪が急速に収束した謎や
どんなに危険だと言ってもタバコが広まるのが止まらない理由、
ある本が爆発的に人気になった例などをあげて説明がされている。

 

現代に活かすために

この本は2000年に発刊された本で
少し例なども少し古いものが多い。

 

しかし、本書の中でも触れられているのだが
この社会形成や人間関係などは
人間の脳みそ自体によってある程度できることが決まっているものだと推測でき、
だから、時代が多少移り変わったからと言って
まったく役に立つことがなくなる ということは無いメカニズムだと思われる。

 

「背景」で説明されているとおり
今の時代 という背景を意識しなくてはいけないため
「過去と同じことを繰り返せばティッピング・ポイントを超えられる」
という安易な考えは絶対にできないが、

 

本書ではそのメカニズムについて様々な例をあげて
説明されているので
自社の商品を低コストで広めなければいけない
となった時に一助になるだろう。

 

さらに
現在SNSなどが発展して
その人の交友関係や考えていること、興味を持っているものなどがわかりやすくなっている。

 

そのため 以前にも増して
コネクター・メイブン・セールスマンなどが
見つけやすくなっているといえるのかもしれない。

 

多少精査に時間はかかるかもしれないが
そういった人間をみつけて効率よくアプローチできれば
ティッピング・ポイントを超えられる可能性はかなり高くなるのではないだろうか?

 

そういったことを
メカニズムは分からずとも
本能的にやっているのがテレビCMで
俳優に自社製品を宣伝させたり、

 

人気ユーチューバーに宣伝してもらったり、
人気あるサイトにステマ的に商品の宣伝をさせることなのだろう。

 

自分の商品などがない場合でも
自分の性質はどんなものなのか?
周りの人間はどんな立ち位置にいそうなのか?
などを理解できれば より自分の仕事の助けにもなるだろう。

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